解 説
「述心緒遣悶長歌の末に 梅さくら皆ちりはてゝ藤浪の はるにおくれしこゝちこそすれ」。『穿履集』巻六には、「述心緒遣悶歌並短歌」と題した長歌並びに短歌三首がある。還暦前後の守部が、自己の学問の真の理解者など一人もいはしない、という孤独の思いがひろがっていた頃に詠んだ歌。しかし守部は、その孤独感や孤高の思いを執筆のエネルギーに変えて、神典研究の関する著述を次々と書き上げていく。
「述心緒遣悶長歌の末に 梅さくら皆ちりはてゝ藤浪の はるにおくれしこゝちこそすれ」。『穿履集』巻六には、「述心緒遣悶歌並短歌」と題した長歌並びに短歌三首がある。還暦前後の守部が、自己の学問の真の理解者など一人もいはしない、という孤独の思いがひろがっていた頃に詠んだ歌。しかし守部は、その孤独感や孤高の思いを執筆のエネルギーに変えて、神典研究の関する著述を次々と書き上げていく。